【ノーベル医学生理学賞 】オートファジーで受賞、大隅良典・東工大栄誉教授

細胞自食作用、オートファジーの仕組みを解明したことで東京工業大学の大隅良典(おおすみよしかず)名誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞されました。

大隈研究室の学生や東工大の在学生も喜びに沸いているようです。

大隈教授の研究目標は?

現代文明は物を作ることに一所懸命であり、
物をいかに廃棄するか、限られた資源をいかに有効にリサイクルするか、
という問題に対して、うまく対処してきたとはとてもいえません。
それらの問題に対して有効な解決法を見出さなければ、
我々の社会システムがいずれ破綻するとの警告がなされています。

システムとしての細胞が安定に存在するための条件は、
その内部に有効なリサイクリング機能を備えていることにあると思います。
仮に物の合成一本槍だった場合、システムとして硬直化することは想像に難くありません。
合成と分解を適宜調整することで様々な状況に柔軟に対応することが可能になると考えられます。

我々は、細胞のリサイクリング機能、オートファジーの研究をしています。

オートファジーってなに?

「オートファジー」は、「自分を食べる」という意味で細胞に核のあるすべての生物に備わる生命の基本的な仕組みです。細胞は栄養が足りない状態になると、生き残るためにみずからの中にあるたんぱく質などをアミノ酸に分解し、新しいたんぱく質の材料やエネルギー源として利用します。古くなったり、傷ついたりして要らなくなったたんぱく質も同じように分解し、再利用していて、こうしたオートファジーの仕組みは、細胞の働きを正常に保つ上で欠かせないものとなっています。

NHK速報より

真核細胞はリソソーム/液胞と呼ばれる一重膜で囲まれたコンパートメントを備えています。
リソソーム/液胞は、その内部に様々な加水分解酵素(プロテアーゼ等)が局在し、
分解コンパートメントとして機能しています。

オートファジー(自食作用)とは、自らの細胞質成分/オルガネラを、
リソソーム/液胞に送り込み分解する現象です

例えば、栄養欠乏状態になったときに、オートファジーは誘導されますが、自分自身を一部分解することで、

1、その分解産物を栄養源として利用する
2、貧環境下で生き残るために細胞活動の活性を下げる
3、貧環境下に対応した性質に自らを再構築する

といった生理的な意義が想定されています。

オートファジーは真核生物で広く保存されており、細胞内のホメオスタシスを維持する基本的な機能として、飢餓条件のみならず基底レベルでも常に機能していると考えられています。

また、増加した小胞体やペルオキシソーム等のオルガネラを分解することで、
これらのオルガネラの量的調節に関与しています。

その他、細胞分化、細胞死での役割が議論されていますが、
それらとの関係は、未だそれほど明らかになっていません。

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